当院は児童精神科専門ではありませんが、思春期(中学生〜高校生くらい)の方も来院された場合は、成人治療の延長として症状やニーズに応じて対応しています。専門的な児童精神科のように時間をかけた丁寧な対応は行えませんが、来院された方には可能な範囲で支援を行います。
思春期は、心と体のバランスが大きく変化し、自立への準備が進む一方で、気分の落ち込みや不安、イライラ、不眠などが生じやすい時期です。成人と同じような症状(うつ病、不安障害、不眠症、適応障害など)がみられることもあります。
当院での治療は、思春期の方が積極的に治療を受けることを前提としたものではなく、症状やニーズに応じて成人治療の延長として対応することを基本としています。
当院での治療は、基本的に成人の精神科治療をベースにしています。薬物療法や心理的支援を組み合わせ、症状の改善と生活の安定を目指します。
思春期は発達の途中であり、感情や行動の揺れが大きい時期でもあるため、薬の使い方や治療のペースには十分に配慮します。
思春期の方の症状には、ご本人の状態だけでなく、家庭環境や保護者の方のご心配が深く関わっていることが少なくありません。当院では診療の中で必要な説明や助言を行いますが、外来診療には時間的な制約があるため、保護者の方のお話を長時間お伺いすることや、細やかな相談対応までは難しい場合があります。
保護者の方の中には、現実的には当院で対応することが困難なことを期待されるケースもあります。また、悩みごとがお子さんに関するものであっても、保護者の方の心配や対応が強く関わっている場合には、当院の判断で保護者様ご本人の受診をお願いすることがあります。こうした場合、やむを得ず治療自体をお断りしたり、お子さんだけでの受診をお願いしたりする場合もあります。
さらに、児童精神科のような時間をかけた面接や家族面談を希望される場合には、専門機関での受診をお願いしています。
発達障害(自閉スペクトラム症、ADHDなど)のある方も、思春期に特有の困難を抱えることがあります。
こうした状況には、特性に合わせた助言や生活リズムの調整、心理的支援を必要に応じて行います。
当院では、必要に応じて心理検査やカウンセリングも行います。
思春期では、脳や神経がまだ発達途中にあるため、薬の効果や副作用の出方が成人とは異なる場合があります。当院では、薬だけに頼らず、生活リズムの調整や心理的支援を重視しながら、必要最小限の薬を慎重に使用します。
うつ病や不安障害の治療に用いられます。成人では広く使われていますが、10代では気分の不安定化や衝動性の増強、一時的な自殺念慮の悪化といった副作用が報告されています。
抗うつ薬の一種であるSSRIの中で、12歳以上の方で現状リスクが低いとされているのはレクサプロのみです。
SNRI・三環系抗うつ薬はSSRIより自殺念慮への影響は小さいとされていますが、リスクが全くないとは断言できないため、必要時には十分な説明の上でごく少量から使用するように心がけています。
不安や不眠に効果がありますが、依存や耐性形成、日中の眠気・注意力低下に注意が必要です。
注意力の改善や多動の軽減に有効ですが、不安・不眠・食欲低下・血圧上昇などの副作用が出ることがあります。発達特性や生活環境に合わせて、環境調整や心理的支援との併用が重要です。
当院ではメチルフェニデート製剤は処方しておりません。ご希望の方は他院に紹介となりますので予めご了承ください。
依存性が低く、翌朝の眠気も少ないですが、まだ10代の方々への十分な臨床上のデータの蓄積がなされておらず、情緒の不安定化や覚醒感の低下が出ることもあります。
適応と経過を見ながら慎重に使用されます。抗精神病薬では体重増加やホルモン変化に注意が必要です。
成人ほど福祉サービスが充実していないのが思春期の実情ですが、医療や地域の制度を活用することで、日常生活の安定や将来の就労につなげることができます。
| 医療系サービス |
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| 行政・福祉サービス |
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| 学校・地域サービス |
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※訪問看護やデイケア以外の行政サービスや就労支援については、患者さんやご家族ご自身での連絡・手続きが必要です。
思春期の治療は、単に症状を抑えるだけでなく、自分の状態を理解し、自分で生活を整えていく力を育てることを目的としています。
発達障害のある方についても、特性に合わせた支援や心理的支援を通じて日常生活や学業の安定を目指し、将来の自立や就労につなげることを意識した支援を行っています。