当院では、心理士がこころの専門家として患者さまのご相談に応じています。心理士と医師が連携しながら、安心してお話しいただける環境を整えています。お話を伺いながら、内因と心因のバランスを考慮しながら薬物療法とカウンセリングを併用してまいります。
カウンセリングは感情をただ一方的に吐き出す場ではなく、ご自身の問題に主体的に向き合い、その解決に向けて心理士や医師がともにサポートしていく場としてお役立てくださると嬉しいです。
料金 | 30分4,500円(税込) |
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など
心理カウンセリングの最初の到達目標は、会話を通じて患者さまご自身が置かれている状況やお気持ちを整理し、現状をより明確に捉えていくことです。
その過程で新たな見方や捉え方に気づいたり、ご自身の特性や強み・弱みを見極めたりすることができるようになり、悩んでいることや困っていることへの対処法が身に付いていきます。不安やストレスの軽減、気分の落ち込みへの対処、対人関係や家族関係の改善、自己肯定感の向上などを少しずつ実現しながら、最終的にはご自身の力で問題に向き合っていける「自己解決力」の向上を目指します。この「自己解決力」により、環境ストレスに対してこれまでとは違った距離感で向き合えるようになることで、ストレスコーピングを強化します。
さらに支援が必要な場合は、患者さまの発達特性や性格傾向に応じて、各種診断書の作成や行政や福祉などの連携機関への紹介などの支援につなげていきます。「こんなことで相談してもいいのだろうか」「話しても解決しない気がする」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、気持ちを言葉にして整理すること自体が、心を軽くし、回復への大きな一歩となります。どうぞお気軽にご相談ください。
ご相談を受けてお役に立つことができるのは、基本的に患者さまご自身の問題としてご対応させていただくケースです。時折、ご家族の方がご相談をくださる場合がありますが、その場にいらっしゃらない方を治療者が変えることはできません。カウンセリングでは、受診される方ご自身に働きかける必要がありますのでご了承ください。
心理カウンセリングで行われるものの一つに「認知行動療法」があります。認知行動療法は、ものの見方や考え方(認知)と、それに伴う感情や行動の相互作用に注目し、こころの状態を改善していくカウンセリングの方法で、科学的根拠に基づいた治療方法として広く知られています。
一般的に心理療法では、「自分はダメだ」「きっとうまくいかない」「これを絶対しなければならない」といった固定化した思考パターンにご自身で気づくことがスタート地点になります。それを現実的で柔軟な考え方に整理し直していくことで、気分の安定や行動の変化を促すことを目標にします。自分の考え方のくせに気づくことで、気持ちが楽になる人も多く、再発予防にも役立つとされています。
しかし、長い時間をかけて定着した考え方や思考習慣を変えるのは容易ではありません。そこで問題となっているものの見方や考え方に関わる行動をまず変えることで、結果としてものの見方や考え方を変えようとするのが認知行動療法です。
不安障害やうつ病、パニック障害、不眠症、強迫性障害など、さまざまなこころの症状に対して用いられ、特に問題への心理的影響が強いケースで有効とされています。
また、薬物療法と併用することでも相乗効果が期待されています。医師の外来診察の場面でも同様の効果を期待した心理療法を実施しておりますが、時間に限りがあるため、より時間をかけてじっくりと取り組む必要があるケースにおいては、カウンセリングの併用をお薦めしています。