統合失調症とは

統合失調症

統合失調症は、思考や感情、行動の調和が乱れやすい精神疾患の一つで、脳の情報処理機能の障害が関連すると考えられています。現実認識に困難が生じることがあり、その対応には専門的な理解と長期的な視点が求められます。

主な症状と原因

主な症状には、現実にはないもの(幻覚や妄想など)を体験する「陽性症状」、意欲や感情が乏しくなる「陰性症状」、思考や注意力が低下する「認知機能障害」があります。これらが生活に影響を及ぼすことがあります。

明確な原因は特定されていませんが、脳機能の問題、遺伝的要因、環境ストレスなど複数の要因が複雑に関与すると推測されています。

診断と治療法

診断は主に問診を通して行われ、他の疾患との鑑別も重要です。診断がつくまでには時間がかかることもありますが、早期の受診・経過観察が非常に重要です。

治療は長期的な視点での継続が基本とされ、一般的には薬物療法と心理社会的治療が組み合わされます。薬物療法では主に抗精神病薬が用いられますが、効果や副作用には個人差があり、専門医による慎重な調整と管理が不可欠です。心理社会的治療は、社会生活への適応を助けるもので、専門機関による包括的な支援体制のもとで行われることが一般的です。治療方針の決定や変更は、必ず専門の医療機関とよく相談して行う必要があります。自己判断での服薬中断は再発のリスクを高めるため、必ず主治医の指示に従ってください。

症状が安定されている方には、訪問看護ステーションや作業所などと連携し、よりよい社会生活の維持に向けてご協力させていただきます。一方で、当院の対応体制には限りがあるため、頻回に入院を繰り返すような症状が不安定な方への継続的な対応は難しいのが現状です。治療状況によっては、より入院治療につなげやすい医療機関をご紹介させていただくこともございますので、あらかじめご了承ください。