身体症状症とは、検査をしても十分に説明できない痛みやしびれ、だるさなどの体の症状が長く続く状態をいいます。症状は実際に感じられるもので、決して「気のせい」ではありません。
以前は「身体表現性障害」と呼ばれていましたが、現在の国際的な診断基準(DSM-5-TR)では「身体症状症」という名称が使われています。
症状は人によって異なり、複数あらわれることもあります。
ストレスや不安、過去の体験などが影響して、体の不調として表れることがあります。心と体は密接につながっているため、心理的な要因が身体症状として現れるのです。
また、逆流性食道炎や腰痛などの身体疾患が治ったあとでも、「違和感」や「不快感」だけが残ることがあります。
このように、最初は体の病気がきっかけでも、その後は身体症状症として症状が続く場合もあります。
身体のつらい症状が長引くと、
などが二次的に生じることがあります。こうした悪循環が症状をさらに強めてしまうこともあります。
対応として、抗うつ薬や抗不安薬、睡眠薬を使うことで、これらの二次症状が一定程度改善されることがあります。
気分の落ち込みや不安の強さを和らげ、ストレスによる身体症状の悪化を抑える効果があります。
不安や緊張をやわらげ、心身がリラックスしやすくなることで、症状のつらさを減らす助けになります。
不安や体の不快感で眠れないときに睡眠を改善し、体調全体を安定させる効果があります。
身体症状症は「症状そのもの」が続くのが特徴です。
一方、心気症(病気不安症)は「重い病気にかかっているのではないか」という強い不安や恐怖が中心になります。
以前は「身体表現性障害」の中に、身体症状症と心気症が同じ疾患群として含まれていました。
現在は分類が整理され、身体症状症と病気不安症はそれぞれ独立した診断とされています。
身体症状症の症状は、つらさに意識が集中すると強まりやすくなります。
一方で、明るい気持ちで過ごし、運動や生活習慣を整えて健康的に過ごすこと、そして自然に症状のことを意識しなくなる状態になると、症状が軽くなりやすいことがわかっています。
治療や生活の工夫を通して、少しずつ安心して日常を送れるようになることを目指しましょう。
当院では、身体症状症の方に対して次のようなサポートを行っています。
必要に応じて、不安や気分の落ち込みを和らげるお薬を調整します。
休養、運動、睡眠など、毎日の生活を整える工夫を提案します。
心理士が気持ちを整理し、ストレスへの向き合い方を一緒に考えます。
身体症状症は「心の弱さ」ではなく、誰にでも起こりうる病気です。症状を我慢せず、早めにご相談ください。