強迫性障害とは

強迫性障害とは

強迫性障害(OCD)は、不合理と自覚しつつも特定の考えやイメージが繰り返し浮かび、それを打ち消すための行動を繰り返してしまう状態を指します。日常生活に支障をきたし、強い苦痛を伴うことがあります。性格の問題ではなく、こころの病気の一つとされています。

主な症状と原因

主な症状に「強迫観念」と「強迫行為」があります。強迫観念は、繰り返し浮かぶ不安な考えやイメージ、罪悪感で、自力で止めることは困難です。強迫行為は、その不安を打ち消そうと繰り返される行動です。これらの症状に支配されてしまい、本人の生活の質が大きく低下することも少なくありません。

原因は特定されていませんが、脳機能の問題や、元々の性格傾向、ストレスなどが関連している可能性が指摘されています。多くは思春期から青年期に発症すると言われています。

診断と治療法

診断は主に問診で行われ、症状や生活への影響が確認されます。心理検査が用いられることもあります。

一般的な治療法として薬物療法や認知行動療法がありますが、いずれも専門的な知識に基づき時間をかけて慎重に進める必要があります。薬物療法では抗うつ薬(SSRI)のほか、症状によっては抗不安薬を用いる場合もあります。認知行動療法では、不安な考えと行動の結びつきを弱める試み(曝露反応妨害法など)を行い、徐々に不安に対する耐性を高めていきます。治療方針については、専門の医療機関で十分に相談することが推奨されます。

当院では、スタッフの体制や診療時間の都合により、高度な認知行動療法や暴露療法などの専門的な治療には対応しておりません。そのため、治療の効果を十分に得るためには、ご自身でも工夫しながら取り組んでいただくことが必要となります。診療を進めていく中で、当院の対応範囲では十分な治療効果が得られないと判断した場合には、より専門的な治療が可能な大学病院などの医療機関へのご相談をお願いすることがございます。あらかじめご了承ください。